- 建築会社って何が違うんだろう
- 建てたい家があるんだけどどこに頼めばいいのかな?
マイホームを建てたいと考えたときに、まず初めにすることの1つが建築会社を選ぶことです。
この記事の筆者、エリメです。
- 設計事務所と地元工務店と一緒にマイホームを建築
- 土地探しから竣工までじっくり2年かけた高気密高断熱住宅
- 建築会社は4年がかりで決定
いざ調べ始めてみると、ハウスメーカーや工務店など様々な種類の建築会社が出てきて迷う方も多いのではないでしょうか。
建築会社は、自分が建てたい家にやスタイルによっておすすめの依頼先が変わります。
そこで本記事では、3種類の建築会社の特徴と、自分に合った建築会社の選び方についてお伝えします。
- ハウスメーカー、工務店、設計事務所の特徴
- 各建築会社の得意な家
- 各建築会社の苦手な家
皆さんそれぞれに合う建築会社が分かるようになるので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
目次
建築会社の種類は大きく分けて3種類です。
- ハウスメーカー
- 工務店
- 設計事務所
全国展開している大規模な建築会社です。
住宅展示場のモデルハウスやCMなどで知る機会が多いため、聞いたことのある会社名が多いのがハウスメーカーです。
ハウスメーカーでマイホームを建てる場合、設計などはハウスメーカが行いますが、実際の施工は下請けの地元工務店が行います。
地域密着型でその土地の風土に合わせた家を建てるのが工務店です。
設計、施工、アフターメンテナンスまで全てを自社で行う工務店が多いです。
社員数名程度の工務店もあれば、エリア内で複数の店舗を持つ規模の工務店もあります。
得意とする工法やデザインも工務店によって千差万別です。
マイホーム作りの中で設計と工事監理の2つの業務を行うのが設計事務所です。
設計は設計事務所が行い、施工はコンペなどで選ばれた工務店が行います。
工務店による施工が、設計通りにきちんと行われているかを中立的な立場で確認する工事監理も設計事務所が行います。
ハウスメーカー | 工務店 | 設計事務所 | |
特徴 | 知名度やブランド力 土地探しや資金計画なども 相談可 | 地域の風土や気候に合わせた設計 設計、施工、アフターサービスまで自社で行う | デザイン性の高い家 中立的なで工事監理を行う |
コスト | 研究開発費、人件費、 広告宣伝費がかかるため高い | 予算に応じて対応できる 一般的に ハウスメーカーより安い | 設計監理料が入るため高い 設計の工夫次第で 安くすることも可能 |
建物の建築費 (相場価格) | 3,000万円台 | 2,000万円台 | 2,000万円台 ~ +建築費の10~15%(設計監理料) |
設計の自由度 | プランの中から選択する セミオーダー式 | ゼロから自由に設計する フルオーダー式 慣れた工法や得意なデザインに制限される場合あり | ゼロから自由に設計する フルオーダー式 |
平均的な工期 | 3~4ヶ月 システム化されているため短い | 4〜5ヶ月 資材を現場で加工するため長い | 5~6ヶ月 設計に時間をかけるため長い |
家の品質 | 標準化された一定の品質が 保証されている | 工務店による | 施工する工務店による 建築士が工事監理を行うため、 一定の品質が保たれる |
アフターメンテナンス | 保証やサービスがメニュー化 されていて明確 | 地域密着型ならではの 身近で細やかな対応 | 施工した工務店が行う |
建築会社を探していると、ハウスメーカー、工務店、設計事務所以外の建築会社の種類を聞くことがあります。
近隣のいくつかの県にまたがって家を建てる建築会社のことです。
全国展開するハウスメーカーと、地域密着型の工務店の間のような規模感です。
工務店として紹介されたり、ビルダーという1つのカテゴリーとして紹介されたり、紹介のされ方は様々です。
独自工法を開発していて、ハウスメーカーのように設計をプラン化している会社もあります。
○○ホームという母体である本社の看板を使う工務店です。
工法や金額も本社の規格を使用して行います。本社の知名度を借りるため、小規模な工務店のデメリットである知名度の低さをカバーできます。
工法や資材が決まっているため、地域密着型の工務店より設計の自由度が低い場合が多いです。
ハウスメーカーや工務店の中で、費用を抑えて家を建てられる会社をローコストハウスメーカーと言います。
ローコスト住宅の目安は1,000万円台の家です。
建材の価格や人件費を抑えることでローコストを実現させています。
コストを下げる分トラブルのリスクも少し高い印象だよ
建築会社の種類はわかったけど、自分にあった会社はどれなんだろう?
それぞれの建築会社の特徴から、どの種類の会社が合っているのかを紹介します。
- 大手ならではの安心感やブランドを重視する
- 全部自分で決めるより、決まったプランの中から選びたい
- 早くマイホームに引っ越したい
- 土地探しや資金計画もワンストップで相談したい
大手ならではのブランド力や安定の品質が、ハウスメーカーで家を建てる大きなメリットです。
各ハウスメーカーは家のプランやシリーズを企画しています。
そのプランの中から選んで行くので、セミオーダー式の家になります。
自分のライフスタイルにあったプランを選ぶことができますよ。
施工期間は工務店より短い場合が多いので、早くマイホームに引っ越したい方にも向いています。
また、土地探しや資金計画も行うハウスメーカーが多いです。
ワンストップで手続きを進められるので、忙しい方には大きな手助けになりますね。
- 土地の風土や気候に合った家に住みたい
- ゼロから自由に設計をしたい
- 予算に応じて柔軟に対応してもらいたい
- 狭小地や変形地などの難しい土地に建てる
地域の風土に合わせた家を、ゼロから作り上げられるのは地域に密着した工務店ならではです。
工務店により得意なデザインや工法が様々ですが、施主の希望に合わせてゼロから設計することができます。
また、予算の選択肢もハウスメーカーより広いので、予算に応じて柔軟に対応することができます。
各工務店の特徴を、十分に比較検討した上で選ぶと家作りの強いパートナーになりますよ。
工務店の強みは何よりも地域密着型という部分にあります。
- 土地情報に強い(コネがあったりする)
- 機構にも詳しい
- ハザードマップや過去の事件・事故などにも詳しい
- 学区のイメージにも詳しい
など、大手では入手しにくい情報があるので活用しましょう。
また、地域での評判が命のため、対応に気をつけている会社が多くアフターフォローなども期待できます。
- オンリーワンでデザイン性の高い家に住みたい
- 時間がかかってもいいから、とことんこだわりたい
- 狭小地や変形地などの難しい土地に建てる
- 中立な立場から工事監理をしてもらいたい
設計事務所が得意なのは、デザイン性の高い美しいたたずまいの家です。
土地の形や周辺の環境を考慮した設計をするので、ハウスメーカーでは対応できない変形地などでも家を建てることが可能です。
こだわり抜いた家を建てたい場合には設計事務所が合います。
施工は工務店が行いますが、設計事務所が中立的な立場で工事監理を行うため、一定の品質をきちんと保てるのも設計事務所にお願いするメリットの1つです。
マイホームを考えている方のなかには、とにかくすぐに引っ越したい方もいるのではないでしょうか。
そういう方には建売住宅という選択肢もあります。
建売住宅はすでに建築が完了した状態、または、建築計画がしっかりと決まった状態で販売されている家のことです。
建売住宅は土地と建物がセットで販売されていることが一般的です。
土地探しや設計の手間も省けるので、契約から入居までが短期間で済みます。
以下のような方にとっては、建売住宅が選択肢の1つになります。
- 今すぐにでも引っ越したい
- 土地探しや設計の手間を省きたい
- 費用をとにかく抑えたい
得意な家がある一方で、それぞれの建築会社が苦手な事もあります。
建築会社を決めた後に、希望する家が建てられない!とならないように、各建築会社の苦手な事も覚えておきましょう。
- 設計をゼロから自由に行う家
- 土地の広さや形により対応できない場合がある
- 予算が限られている場合
ハウスメーカーとの家作りはプランの中から選んでいくセミオーダー式なので、ゼロから完全に自由な設計はできない場合が多いです。
また、狭小地や変形地などの難しい土地に建てる場合、ハウスメーカーでは家を建てられない場合があります。
もし土地が決まっている場合には、事前にその土地で家を建てられるかを必ず確認してくださいね。
工務店に比べてハウスメーカーの費用は高くなります。大手ハウスメーカーの相場価格は3,000万円台ですが、各メーカーによって平均的な坪単価が違います。
ハウスメーカーを検討する場合には、坪単価を確認して予算内で家が建てられるか確認しましょう。
- 使い慣れていない資材や工法を使用した家
- 土地探しや資金計画の相談
- 早く家を建てたい場合
工務店は普段から使い慣れている資材や工法を使いながら、一棟一棟オリジナルの家を建てます。
普段は手がけないデザインの家や、使い慣れていない資材や工法での家作りは苦手とする場合が多いです。
例えば、純和風な家を得意とする工務店に洋風な家をお願いしても、思い通りのデザインにはならないかもしれません。
各工務店の施工実績を確認して好みのデザインを手がける工務店を探してくださいね。
工務店との家作りの場合でも、土地探しや資金計画の相談はできます。
しかし、ハウスメーカーのように強い提携先のネットワークはない工務店がほとんどです。
土地探しや資金計画は施主自身が主体となって行う必要があります。
標準仕様や技術力などにかなりばらつきがあるので、いかに「優良な工務店を見つけるか」が勝負です。
また、工務店との家作りはハウスメーカーと比べて時間がかかります。
工務店との家作りでは時間に余裕を持って行いましょう。
- 早く家を建てたい場合
- 自分のテイストと違う家
- 土地探しや資金計画の相談
設計事務所との場合、家の完成までに時間がかかります。 早く家を建てたい場合には設計事務所との家作りは難しいでしょう。
私の場合、設計に約半年、建築工事に約9ヶ月かかりました。
また、設計事務所はそれぞれ独自のテイストやコンセプトを持っています。
設計事務所としっかり話をして、自分の希望と設計事務所のテイストが合うか確認してください。
さらに、土地探しや資金計画は施主自身が行います。
施主自身が不動産会社や金融機関に出向き土地探しや住宅ローンの手続きを行う必要があるので手間がかかる点も注意しましょう。
外構は建築会社ではやらない事もある
建築会社は家を建てる会社なので、 駐車場や庭といった外構工事は行わない場合が多いです。外構工事は外構専門の会社が行います。
建築会社に外構をお願いすることもできますが、建築会社から外構専門の会社に依頼をします。
経費が上乗せされる場合があるので、施主が直接外構専門の会社に依頼すると良いでしょう。
外構については別記事で詳しくお伝えします。
この記事では3種類の建築会社の特徴をお伝えしました。
- ハウスメーカー
- 工務店
- 設計事務所
それぞれの建築会社で費用の目安、設計の自由度、アフターメンテナンスなどに違いがあります。また、得意・苦手とする家が違います。
ハウスメーカー | 工務店 | 設計事務所 | |
得意な家作り | ブランド力があり、安定の品質の家 | 地域の風土に合った自由設計の家 | デザイン性の高いこだわり抜いた家 |
苦手な家作り | ゼロからの設計する家や難しい土地に建てる家 | 慣れていないデザインや工法を使用した家 | 短期間で建てなければいけない家 |
ハウスメーカ、工務店、設計事務所、それぞれの種類に沢山の会社が存在しています。
沢山の会社から1つの会社を選ぶのは大変です。
まずは自分に合った種類の建築会社を見定めると、その後の会社選びがぐっと楽になりますよ。